monotsugi blog / モノ継ぎブログ

今年最後のd&department tokyoの金継ぎの受付

一昨日、今年最後のd&department tokyoでの金継ぎの受付が無事に終わりました。


2ヶ月に一度の開催なので、日数で言えば365日のうちのわずか6日。

この6日間に多くの方たちが、棄てられずに抱えている大切なモノを持って訪れてくれました。

震災をきっかけに、作る側から直す側へと移行して7年目になります。

大げさではなく、現在の私は壊れた器を通じて世界と繋がっていると思っています。

どれだけ人との繋がりが少ないの??と言うツッコミはご容赦いただき(苦笑)、これからも、この貴重な6日間を軸にして活動していきたいと思っています。


※次回の受付は、2018年1月27日(土)です。

いつも24名の定員がいっぱいになってしまいます。

ご依頼を検討してくださっている方は、お早めにショップにお問い合わせください。

金継ぎ技法書が発売されました

持永かおり監修「金継ぎ 上達レッスン」表紙  how_to_kintsugi_book_written_by_kaori_MOCHINAGA

ようやく本が出来上がりました。 金継ぎをする人に向けた技法書です。

 

昨日初めて手に取り、感慨深く眺めています。 私がそうであったように、これから金継ぎを始める人にとっては同時に漆の世界への第一歩を踏み出すことなんだと思います。

 

あまり身近ではなくなってしまっている"漆"ですが、これがやり出したらハマること間違いなしです。 本書あとがきにも書きましたが、そんな漆で繕う仲間が一人でも増えてくれたら嬉しい限りです。

 

簡単な欠け埋めからバラバラに割れた軟陶の接着まで、今まで多くの器を繕ってきて気づいたことや工夫している点などを、写真で分かりやすく説明してあります。 ちょっと説明しすぎたかな?と思わないでもないのですが、それでも作業していると次から次へと疑問が湧いてくるので、きっとお役に立つのではないかと思っています。

 

手に取りやすいソフトな雰囲気の表紙でありながら、中身はハードな "漆で繕うコツ" がぎっしり詰まった一冊です。是非お手にとってご覧いただきたいと思います。 そして、どこかで漆談義ができたら嬉しいですね。

 

「繕うワザを磨く 金継ぎ 上達レッスン」

コツがわかる本シリーズ B5オールカラー128頁

メイツ出版刊/税込2052円/9月23日発売

amazon

楽天ブックス

セブンネットショッピング

honto

 

 

※当初B4とお知らせしましたがB5(182mm×257mm)の表記間違いでした、申し訳ありません

金継ぎの技法書の監修

ホームページやSNSの更新が滞り、申し訳ございませんでした。

今春頃にお話しをいただいていた「金継ぎ技法書」の監修に6月頭より取り組み始め、どうやら最後の山を越えたようです。

お預かりしている器の修繕と並行して行っていたため、それ以外のことがすっかり後回しになり、気付けば夏が終わってました。。。

 

普段自分のペースで気ままに一人作業をしている私にとって、第三者にも分かりやすいようにそれを言語化する作業はとてつもなく困難で、でも曖昧にしていた部分がどんどんクリアになって行くのを実感し、とても貴重な機会をいただいたと痛感しています。

それが「書籍」という形で世に放たれる。

色んな葛藤やもどかしさなど多々ありましたが、それを差し引いても余るほどの恵をいただいたように思います。

 

私の漆の先生は、ご自身の血となり肉となっている漆の知識を惜しみなく分け与えてくれます。

先生の足元にも及びませんが、私の持っている金継ぎの知識や実践していくうちに気付いことなどを、この一冊に注ぎました。

書籍の性質上、説明し切れない部分もあると思いますが、そこはこのホームページ上でカバーしていこうと思います。

デジタル作業が不慣れなため、なにかと行き届かない点が多々出てくるとは思いますが、そこはご容赦ください。。。

 

次につづきます。。

 

ガラス器の修理についてのお知らせ

今後、ガラス器の「漆での割れ修理」は、4パーツ以下のみの受付とさせていただきます(2017年5月以降、5パーツ以上のバラバラに割れた器は「基本」お断りさせていただきます。

現在「モノ継ぎ」では、ちゃんと飲食に使えるガラス器の修理は漆でやっています。
日本には漆という素晴らしい接着剤がある。漆を使ってガラス器を修理すれば安心して飲食に使えるようになる。その想いから、ちゃんと器として使えることを謳ってガラス器の漆による修理の受付をしてきました。
ただ、あまりにも手間と時間がかかる。かかりすぎる。そして、その正当な対価として修理代をお見積もりすると、とてもとても高額(下記金額参照)になってしまう。
そんなことに今更ながら気付き、今回のご報告に至ります。
 
これまでにお預かりしたガラス器の修理はきちんとやらせていただきますのでご安心ください。
ありがたいことにここ数年、常時100点を超える器をお預かりしている「モノ継ぎ」ですが、作業現状を考えるとガラス器の漆による割れ修理は「4パーツの割れ」までが限界のようです。
 
飲食に使えなくてもいいので、とにかく形を復元してほしい。。。と言う方には、ガラス専用の紫外線感光型接着剤で復元修理をさせていただきます。どんなにバラバラでも、パーツさえ揃っていれば復元できます。ただ、飲食には使えなくなります。
欠けや4パーツまでの割れ修理は今までと変わらず漆で直しますので、安心して飲食にお使いいただけます。
 
美大でガラス工芸を専攻していたので何の躊躇もなくガラス製品の修理を受け付けて来ましたが、出来ることと出来ないことをきちんとお知らせする事が、ご依頼くださる方への心ある対応なのではないか、と思うようになりました。
どうも来るもの拒まず…な性格なもので、ついつい自分の首を絞めることになっていたようです。
 
これからもずっと継ぎ師として活動をして行くためにも、お断りをする勇気を持とうと思った次第です。
ご理解いただけると幸いです。。。
 
※例えば写真のガラスピッチャー(銀継ぎマット仕上げ)で7万円程度、ガラスタンブラー(黒漆仕上げ)で5万円程です。このように高額となりますが、どうしても直したいバラバラに割れたガラス器(飲食用)をお持ちの方は、ご相談ください。見積もりをお出しします。
※あくまでガラス器の「漆での割れ修理」に限った話です。他の素材の割れ物はパーツ数に限らず通常通りお受けします
 
2017年4月29日  「モノ継ぎ」持永かおり

蒔絵のグループ展に出展します

とりとめのない写真ですみません。。。汗

せっかく今日の搬入後の全体写真を撮ったのに、アップできないことが発覚し。。。制作途中の写真で失礼します。

 

明日3/14(火)から3/20(月祝)まで、横浜そごう6階美術画廊にて、お世話になっている蒔絵師の先生主催の「燦の会 漆芸展」が始まります。

※10時から20時まで。最終日のみ16時まで。

 

先生はじめ、教室の先輩方の作品たちは見事な限りで、これぞ蒔絵!という見応え十分な会だと思います。

そんな中に、数は少ないですが、私も出展させていただいてます。

 

わたしはまだペーペーですが、それでもここ数ヶ月、仕事の合間とは言え蒔絵に没頭し充実した時間を過ごせた事は、金継ぎの技術向上に大きな役割を果たせたような気がします。

 

蒔絵の技は全て金継ぎに応用できる、とても奥の深い世界です。

一人でもがいてどうしても仕上げに納得がいかなかった時に、先生の教室の門を叩き今に至ります。

惜しみなく技を教えてくださる先生と教室の方々には、本当にお世話になりっぱなしで。。。

 

金継ぎを通して漆の魅力にハマり、蒔絵や乾漆を教わる事で自分の手からうみだせるモノの質がどんどん変わっていくのを実感しています。

こんなに細かいことをやるような人間ではなったんだけどな…と、ふと少し前の自分を振り返ったりもしますが(苦笑)、ご先祖様からいただいた大切な使命なんだと言い聞かせ、日々目を凝らしながら仕事をしています。

 

話が思いっきりそれましたが、漆や蒔絵に興味のある方、金継ぎの仕上げに悩んでいる方は、ぜひ足をお運びください。

きっと、なにか答えが見つかる。そんな素敵な会場になっていると思います。

 

 

出店蒔絵制作過程

d&department tokyoでの金継ぎの受付

お知らせです。

次回 D&DEPARTMENT TOKYO での「金継ぎの受付」は、3月25日(土)(12時〜19時)になります。

1月に予約が取れなかった方は、お早めにお問い合わせください。

先週の土曜日、今年初めてのD&DEPARTMENT での金継ぎの受付が無事に終了しました。

そこで、何回くらいやっているんですか?というご質問をいただき、スタッフのナガオくんと指折り数え、えーと、12回くらい‥?と曖昧に答えましたが、どうやら2ヶ月に一度の定期開催を始めてから丸2年が経ったようです。
次回3月の開催で3年目に突入です。

この2年の間に様々なことがありました。

嬉しい言葉をいただくこともあれば、私の不手際ゆえにお客様に平身低頭お詫びをしたこともありました。
得意な事、好きなことを仕事にできる喜びと、それに伴う責任の重さを痛感した2年だったように思います。
いつも快く私を支えてくれるスタッフの方々と、近くから遠くから大切なモノを持ってきて下さる方々、惜しみなく技術を教えて下さる漆の先生とまわりの方々、手抜きメニューに文句も言わず美味しいと言ってご飯を食べてくれる家族と、本当に多くの人に支えてもらいながらここまで来れました。

その方々への感謝の気持ちを忘れずに、三年目も頑張っていこうと思います。



「奥沢のD&DEPARTMENT に割れ物を持っていけばちゃんと漆で直してくれるらしい。」

こんな評判が少しずつ定着してきているようで、嬉しいかぎりです。



2017年2月3日 「モノ継ぎ」持永かおり



「仕上げ参考例」のページを作りました。

仕上げについて。

 

写真 : 黒漆仕上げ+金消し粉仕上げ

 

この皿のように、金彩が施してある箇所を継いだ時は、周囲の金彩を傷つけないために「消し粉仕上げ」になります。 

 

「磨き仕上げ」は文字通り金や銀を研いで磨いて仕上げるため、周囲に金彩が施してあったり、傷つきやすく汚れやすい陶肌には向きません。

 

一つ一つの器の状態を見て最適な方法を探すこともまた、大切な仕事なのです。

 

直接お会いして依頼を受ける「公開受付」に比べると、メールやお電話でのやり取りだけでは、どうしても仕上げのイメージをお伝えしづらいのが現実です。

 

そこで「仕上げの参考例」のページを作りましたので、ご覧いただき、少しでもお手持ちの器の仕上がりをご想像していただけると幸いです。

 

 ※「仕上げの参考例」ページ

↑クリックで飛びます 

 

 

さて、この器。手のひらに収まる小皿の中に、吸い込まれるような華やいだ景色が描かれています。

呉須で絵付けされた個所はあえて漆黒のままに。華やかな上絵のところのみ金仕上げに。

 

華やかでユニークな景色が生まれました。

 

2016年11月25日

↑銀継ぎ『消し粉仕上げ』:柔らかい陶質+蓋裏側の周囲が無釉なため磨き仕上げは不向き

↑銀継ぎ『磨き仕上げ』:しっかり釉薬がかかっているので、磨き仕上げでも、マットな消粉仕上げでも、どちらでも可。

↑銀継ぎ『消し粉仕上げ』:無釉ではないが、粉引き特有のマットで汚れやすい陶肌なため、磨き仕上げではなく『消し粉仕上げ』が向いている。

↑金継ぎ『磨き仕上げ』

しっかり釉薬がかかっているので、磨きでも消し粉仕上げでも、どちらも可能。


計り知れない父親の愛情

昨夜お渡しした湯呑み。


10年以上前に娘さんが割ってしまった破片を、ずっと大切に取って置いたそう。

そんな娘さんももうすぐ二十歳に。

計り知れない父親の愛情を垣間見た想いです。


ありがたいことにご依頼が多くなり、それと同時に大変なことも増えているのも事実です。

でも、この仕事をしていて良かったな…と心から思える瞬間も多くあります。


私を信頼して大切なモノを預けてくださる方がいる。

私が直す理由は、それで十分なのかもしれません。

2016年11月1日blog

どんなモノでも受け入れるという覚悟。

一昨日、d&department tokyoでの「9月の金継ぎの受付」が無事に終わりました。

雨降る中、たくさんの大切な壊れたモノを持ってきてくださり、ありがとうございました。

 

受付の際に、「ネットで探すと金継ぎを頼めるところがいくつもあるけど、大切なものだからこそ直接依頼したい。お願いできてホッとしました 」と、多くの方に言われました。

依頼する側もされる側も、直接顔を合わせ話をしながらやり取りできるので、絶対的な安心感があるのだと思います。

でもその反面、開催日が近くなると、予約の取れなかった方や遠方の方からのメールでの問い合わせが増えます。

 

大切なモノに優劣など有るわけはなく、どんなモノでも、どこに住んでいても、どんな人のモノでも、私に直せるものであれば直す。ただそれだけです。

 

パソコンもメールも出来ないんです。。。と言う方から電話をいただくこともあります。

マスキングテープって何ですか?と言う方もいます。郵送する空き箱を探せず、ハンズで立派な箱を購入された方もいます。

色んな方の色んな大切なモノをお預かりする楽しさも、実はあるのかもしれません。

 

依頼の多さに「しばらくWebからの受付は中止にしようかな…」などと日和っている場合ではないですね。

間口は常に広く、どんなモノでも受け入れる体力と気力と技術力を持ち続ける覚悟をもって、「モノ継ぎ」の看板を掲げたのですから。

↑ご依頼主がご自身で欠片を拾い集め、ここまで復元して持ち込まれたガラスタンブラー。

痛々しくも美しいこの姿がどのように蘇るのか、想像すると胸が躍る。


近況

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バラバラな器の接着の仕方 (金継ぎマニュアル vol.1)

金継ぎの技法について、よく聞かれる事などを中心に、少しずつ書こうと思います。

 

「バラバラでパーツの多い割れの場合は、どうやって直すのですか?」とのご質問。

どうしてもズレちゃうんですが…とか、麦漆で器がべとべとに汚れちゃう…とか、接着してテープで止めまくっても崩壊しちゃう…なども、多い質問です。

 

きちんと下処理をする(後日説明します)。きちんと麦漆を作る。ということを前提に、私が今ベストだと思うやり方をお話しします。(あくまでもモノ継ぎのやり方です。金継ぎ師の数だけやり方があると思ってますので)

 

パーツの多い割れや、パーツが少なくても複雑な割れの場合、私は一気には接着しません。

大抵2~3ブロック程度に分けて接着するのですが、ここで大切なことは、

ブロック分けして接着するときも、漆を固める時は必ず一つにまとめる。ということ。

そして、マスキングテープはあくまでも補助的に使うにとどめ、重力に逆らい落下する箇所を無理矢理テープで固定するということはしません。

 

注ぎ口が複雑な割れ方をしているこのティーポット。

一見、すでに接着されているように見えますが、実は…

本体にはまだ接着していません。

本体との接地面には麦漆を塗らず、でも、しっかりと一つにまとめて硬化させました。

 

接着した時は、翌日も、その翌日も、必ずズレがないかを確かめ、その都度少しずつ力を加えて押さえ、しっかりと確実に接着できるように目と手をかけてやります。

本体とくっつける前に、中にはみ出した麦漆もきれいにしておきます。

 

そして、一週間程度経過したら、本体としっかりと接着します。

この真緑な物体は、私の直しの必需品。(石膏をとくのに使うゴムボウルですが…)

好きな角度で器をキープできる優れものです。

 

ここからまた数日間、ズレが無くしっかりと接着できるように、毎日チェックします。

そして、もう大丈夫だなと思ったら、ここから一ヶ月程度かけて硬化乾燥させます。

 

なぜ一気に接着せず、こんなまどろっこしいことをするのかと言えば、はじめに書いた質問の内容がほぼほぼクリアできるからです。


私だって、最初はズレまくっていたし汚していたし、接着した箇所が弱くて数日後に取れちゃったり。さんざん失敗をしてようやく辿り着いたのがこのやり方。ということです。


なので、皆さんからいただくご質問は、まったくもって全て思い当たるし、へたしたら今も悩みの種である事案だし、これからも常により良いやり方を勉強し続けなければ…と、痛感しています。

 

下の器の直す手順は、次回のブログで説明しようと思います。

ブロック分けのコツも先送りします。


あまり長くなるのもアレなので…。


金継ぎの受付で、ささやかな嬉しいこと。

今週の土曜日、二ヶ月に一度の恒例になった、d&department tokyoでの金継ぎの受付があります。

なんと今回で二年目に突入します。


受付をしていて、ささやかな嬉しいこと。それは、当日会場に行くと、d&departmentのスタッフの方から、事前に修理品の持ち込みがあること。


今は事前予約制になったので、人が来ないかも。。。なんて言う不安は全くないのですが、始めた当初は若干の不安があり、あ、これで、受付ゼロではなくなりましたね!などと、口では冗談を言いながらも、内心ほっとしたことを覚えています。


気づけば、それからずっと、誰かしらスタッフの方が、修理品を当日に持ち込んでくれています。

大抵きまって一つ二つ、多いときは4点の時もありました。


名前も顔も知らない方がほとんどですが、何かこう応援してもらっているような、勝手に少し暖かい気持ちになるのでした。

いや、あの決して催促してるわけではないのであしからず。。。

でも、いつもありがとうございます。。


3月26日(土)。

天気予報は今のところ曇り。

曇り上等!でも雨だけは降りませんように。。。(注:来てくださる方のために)


※写真は事前にスタンバイしていたご依頼品の数々。


アメリカンヴィンテージと日本の伝統技術の融合

「アメリカビンテージと日本の伝統技術との融合に何故か興味が湧いてしまいました。」

というご依頼主の一言。

この一言を何かしらの挑戦状と受け取った私は、本来なら断る耐熱ガラス器のヒビ修理をマンマと引き受けてしまいました。


今まで前例のないfirekingの金継ぎ。

かなり固めの漆ですら横滑りしてまっすぐ引いた線がみるみるにじんでいく。

何度もやり直しをして、ようやく仕上げにたどり着きました。


当初は金消粉仕上げ(マット)の予定でしたが、ここまで来たら磨き金で完璧な仕上がりにしてやる!!と、妙な対抗心(誰に対して?)がめらめらと燃え上がり、なかなかの出来映えに。う、うれしい。。。(泣)


人と争うのは好きじゃないけど、モノと格闘するのは心底楽しい。

どうだ!私の勝ち!!っていう気分です(笑)


そして、本日、無事にご依頼主さまにお渡ししました。

「オリジナルを越えた出来ですね」と言われ、凍えるような寒さの中、暖かい気持ちで帰りました。。。


ガラス修理の接着面が美しいと言うこと

いま、ガラス修理が熱いです。私一人の話ですが(笑)


当たり前だけど、陶器や磁器の割れ修理は、接着した断面は見えず、そのときに出来たラインの上を金や銀で装飾しています。


偶然に出来たラインの美しさに、いつもほれぼれしながら仕事しています。


でも、ガラス修理はその断面が丸見えです。


紫外線感光型接着剤で着けたときは、どこが割れてるんですか??と聞きたくなるほど断面がわからなくなります。

これはUVならではの素晴らしい現象。(食器には使えませんが)


新漆を塗り金箔銀箔を挟んで接着するやり方も有りますが、これも断面はきれいなようですが食器には使えない。(新漆は漆ではないので)


ここで満を持してガラス用漆の登場です。


私がいまもお世話になっている蒔絵教室の先輩からわけていただいたガラス用漆でテストをして、ようやく実用化したのが数ヶ月前のこと。


当然ながら、漆なので接着面は黒くなり、ガラスなのでそれが丸見えに。

それを隠さなければならない点が、唯一の弱点でした。(粘度が高くヒビに入らない点も弱点ですが)


でも、アレコレ工夫してみたら、なんとまーウソのように断面が綺麗になり、あれだけ隠したかった断面をむしろ見せたい!見て!と大きく心境も変化しました。


特に厚みのあるガラスを接着したときの美しさは格別で、ひと月程の固めの期間中も、必要ないのに嬉しくてチラチラ見ては一人うっとりしています。


なので、いまガラス修理が熱い。と言うわけです。


欠けてしまってパーツがなかったり、ヒビの修理となるとまた話は別になってくるので、あくまでも、ガラスの接着修理が熱い…と言った方が的確かもしれません。


直し途中になりますが、写真でこの感動を共有していただけたら嬉しいです。


しつこいけど、本当に美しい!まるで水中を漂う謎の生物のよう…




どこかの、誰かの、心の傷を継ぎ合わせる一粒の金になれたら

学生時代の友人から、Faxが届いてました(何日も気づかなかった)。

今どき、新聞を切り抜いてFaxって…SNS全否定の友人だし仕方ないか(苦笑)


でも、改めて読んだら、じわっと泣けてきた。


金継ぎの、傷跡に魅せられる理由がわかった気がする。


無傷なまっさらな器より、傷を抱えながらも新たな時を刻み始めたそれは、美しい。


一度付いてしまった傷は消せないけれど、いままで以上にいたわり、慈しむ心が生まれる気がする。


2016年元日、この記事を読んだ人は、きっといろんな意味での「金継ぎ」が心に残っていることと思います。


私も、どこかの、誰かの、心の傷を継ぎ合わせる一粒の金になれたら、こんなに嬉しいことはない、と思う。


Faxくれてありがとう!←絶対見てないと思うけど(笑)


2016年事始め

明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。

 

本日より「モノ継ぎ」の仕事始め。

まずは、昨年末に仕上げた大物、リサ・ラーソンの馬の納品です。

 

ポッキリ折れた耳が無くなって数十年。

ずっと片耳のままたたずんでいる姿に心を痛めていた持ち主さまが、昨年9月のd&departmentでの金継ぎ公開受付に「かわいそうなので耳を作ってください」と、持ち込まれました。

 

これはもう「金継ぎ」ではなく、私の持ってる技術を駆使して「修復する」作業です。

 

使い慣れている瀬戸の陶土をブレンドし、焼成後の収縮を考慮しながら、無い部分を想像しながら成形。

 

いくつか作り、釉薬をかけて本焼きしたものもあるのですが、より本物に近い仕上がりを優先し、素焼きで止めたままの耳に塗料で色合わせすることに。

 

美術品としての価値を考えると、今後リサ・ラーソンの展覧会などに出展する可能性も無くは無い?と思い、いざという時にはちゃんと外せる接着方法を選びました。


 

さて、国産の漆で器を直すことを看板に掲げているモノ継ぎですが、もとはと言えば、合成接着剤を使った現代美術や花器などの修理修復をずっとやってきたので、久しぶりのこういうご依頼は実は楽しい。

 

そして、その反面、食器に合成接着剤と合成塗料を使い「金継ぎ」として直すことを良しとしている方が少なからずいることに、心が痛みます。

 

お願いだから、合成接着剤で直した器で食事をしないで~!と大きな声で言いたい。

 

なので、今年は「当たり前のちゃんとした金継ぎ教室」を、私なりのやり方で開講しようと企んでいます。

 

まずは、世田谷近辺に潜んでいる「高い金継ぎキットを買ったのにどうにも出来なくて困っている」方々を救済をしたい。

 

だって、こんなに面白い事に興味を持ってくれて、しかもキットを購入までしたのにそのまま放置されてる…というのはもったいなさすぎる。というか、悲しすぎるので。

 

 

 



11月の金継ぎ公開受付が終了しました

昨日、晴れわたる青空の中、2015年11月の金継ぎ公開受付が無事に終了しました。


今年はこれで最後。


3月から始まったd&department tokyoでの金継ぎ公開受付。

usedのプロフェッショナル且つd&department金継ぎ部長の有馬さんと、試行錯誤を重ねながらも無事に5回開催できたことを、とってもとってもありがたく嬉しく思います。


さりげなく、でもしっかりとフォローしてくださっている店長さん始めスタッフのみなさまにも、心から感謝しております。

いつもありがとうございます!


改善すべき点はまだまだありますが、これから先ずっと続く私の「ワレモノ修理プロジェクト」において、とても大きな実りをもたらしてくれた事に間違いはありません。


ちゃんと人の顔を見ながらご依頼を受けられる。

私だけでなく、きっとご依頼くださる方たちだって、大切な器を安心して預けられるんだと思います。


次回の開催は、年あけて1月30日(土)になります。


それまでには、今現在お預かりしている器たちを、ちゃんと持ち主さまの元へと送り届けられるよう、頑張って直していこうとおもいます。


これからの季節、漆が固まりにくい温度と湿度になります。


でも、一つ一つ丁寧に直す。


ただそれだけに集中していきたいです。


と、何だか年の締め括りのような文章になってしまいましたが、まだまだやらなきゃ行けないことはテンコ盛りです!


泣いても笑っても、ラスト一ヶ月。悔いが残ろうがやり切ろうが、お構いなしに日は沈みまた上る。


「これでいいのだ!」


バカボンのパパ、深いです。。。



※上の写真は受付開始早々に持ち込まれていた、難易度高いガラス修理の器たち。やる気出まくりです!

※下は次男作。


9月の金継ぎ公開受付を終えて。

ずいぶん過ぎてしまいましたが、先月の2015年19月26日(土)にd&department tokyoでの金継ぎ公開受付を開催しました。


今年の三月から二ヶ月に一度の開催とし、今回で4回目になりました。


自分から何かを発信すると言うことが苦手で、でも恐る恐るSNSやホームページで微弱な電波を発信し始めて数ヶ月。

少しづつ反響が出てきたように感じます。


恥ずかしいけど、実はうれしい。これが本音。


でも、そうは言っても、実際の金継ぎの受付にさほど影響がないだろうと高をくくっての今回の公開受付。


完全に甘かったです。。。


ふたを開けてみたら、スタート時間前から何人もの人が並んでくださり、信じられないけど、常に15人待ちの大混雑に。


私が休憩を取れない事などどうでも良くて、それより、お忙しい中わざわざ来てくださった方たちを二時間半も待たせてしまったと言う現実に、ただただ申し訳なく、心からお詫び申し上げます。


壊れてしまった大切なモノに、優劣も大きさも素材も無い。

とりあえず持ってきてもらって、可能な限り直す。


元来「来るもの拒まず」主義な私は、そんな意識でワレモノ修理の受付をしています。


でも、さすがにこれだけ多くの方を長時間お待たせするのは本意ではない。


受付の仕方や告知の仕方、来てくださった方への配慮などなど、まだまだ改善しなくてはならないことがたくさんあるようです。


苦手なので…とか言っている場合ではないので、少しでもスムーズに事が運ぶようなシステム作りをしなくては。


そして…

多くのご依頼品をお預かりし、改めて気を引き締めて修理に取りかかりたいと思います。


ガラスの修理について


ガラス修理について。


最近、ガラス器の修理依頼が増えている気がします。


上の写真は、最近直したばかりのガラス修理の品々。


全て装飾ではない必然のきずあとなのですが、コテコテだったり、さらっとしてたり、痛々しかったり、凛々しかったり。


毎回驚きの仕上がりになります。


そして、ようやく紫外線感光型の接着剤ではなく、漆のみで納得の出来る直しが出来るようになりました。


ちゃんと飲み物を入れて安全に飲めて、48時間の水漏れチェックにも耐える。


これは嬉しい。


今まで、「本来ならこの場合はお断りするんだけど、でも、形だけでも直したいと言われるし、ではお直ししますが乾杯程度に使うに留めてください。いくらその上を漆と金粉で覆っていても、飲み物にふれることは基本NGなので」と、なんとも歯切れの悪い言い方で、修理をおうけしたことが何度かありました。(注:化学系接着剤は、安全上の問題で食品に触れる部分の修理には使えません)


キズの具合によっては、漆で直せない場合もありますが、それでも、今までよりはずいぶん救出できるガラス器が増えることは確かです。


時間もかかるし費用もかかりますが、それでも、泣いてあきらめるだけより、「直せるかも」と言う選択肢が一つ増えただけでも、少し心が豊かになるのだと思います。


ちゃんと漆で直せば、ちゃんと使える(安全に)ようになる。


結局は、これに尽きるのです。




取材を受け、モノ継ぎのはじまりを思い出す。。。

先日、ある雑誌の編集のかたから「モノ継ぎを小さく紹介したいので取材したいのですが」と言う連絡をもらいました。


30分ほど電話で質問に答えていただけなのに、自分でも忘れていたような「私の活動の原点」がみるみる蘇ってきたことにびっくり!


人に話すと言うことは、普段無意識に考えて行動していることを思い起こす儀式のようなものなんだ、と言うことを再認識しました。

たまには、話さなくちゃな。。。



2011年の震災時。


6才と4才の保育園児を抱えながら、陶芸の仕事と家庭のこととようやく形になりつつあった漆での直しの勉強と大好きなお酒と、忙しいながらも楽しく日々過ごしていたように思います。


そして3月11日。


あの日を境に、日本中の人々が自分のあり方を見つめ直したと思います。


自分の無力さに絶望し、日本の未来を悲観していた時に、函館在住の尊敬している現代美術家の方から、「アーティストに出来ることで復興支援するぞ!参加しろ!」(注:もっと丁寧な言葉で)と言う誘いを受けました。


こんな非常時に作品作ってる場合じゃない。じゃー器を作る?いや、器作る人はごまんといるし、ましてや陶芸はエネルギーも時間もかかりすぎるし…、と参加を躊躇した時、


「あ、私に出来ることあった…今までワレもの直しまくってきたじゃん。それを生かそう。まだ金継ぎは完璧ではないけど、ワレ物修理ならできる!」


どんよりとした暗闇に一筋の光がさした思いでした。(大袈裟?)


以前から決めていた「ココロ継ぎ」と言う屋号はあっさり夫に却下され、ニュートラルに「モノ」を「継ぐ」と言う意味で「モノ継ぎ」と言う屋号を掲げました。


そして、これも微力すぎて人に話したことはあまりないのですが、日本産の漆を使うことで、小さな小さな東北の支援をしています。と言うか、しているつもりでいます(小さすぎてすみません…)。


その復興支援イベントに貢献できたかと言えば、金銭的には全く出来なかったと記憶しています。(注:イベントは大成功でした)


でも、これが「モノ継ぎ」のはじまり。


小宮さん、改めて、あのとき声をかけてくれてありがとう。


モノとヒトを継ぐ、と言いながら、実は自分の心と人の心を継いでもらっていたことに気づいた2015年夏の終わり。


いろんな疲れが出る頃です。みなさまもどうかご自愛ください。。。

(2015年記)


⇩2011年 4月9日~12日まで函館で開催された、what ART anables〈  ART RESCUE 〉に参加した時のパネルです。


蒔絵のグループ展に出品しています(終了しました)

既に始まっているのですが(2015年7月7日~7月13日(月)まで)、横浜そごう6階の美術画廊で、私がお世話になっている蒔絵師の小林宮子先生主催の教室展「燦の会」に蒔絵の作品を出品させていただいています。


お近くにお越しの際は、お立ち寄りいただけると幸いです。


金継ぎを始めてからずっと仕上げの完成度に納得がいかず、85歳の先生の門をたたいたのが一昨年の年末のこと。


金継ぎの仕上げは蒔絵の技。蒔絵のみならず、先生のからだに染み着いている漆の技を学びたくて、無我夢中でここまできました。


先生とお教室と、お教室の方々に出会えたことで、中途半端に掲げていた「モノ継ぎ」の看板を自信を持って掲げることができるようになりました。


このご恩を、ご依頼くださる方々にお分けできれば、この上ない喜びです。


全てのご縁に、心から、感謝申し上げます。





7月の金継ぎ公開受付のお知らせ(終了しました)

2ヶ月があっと言う間過ぎ、三回目の金継ぎ公開受付が迫ってきました。


2015年7月11日(土)12時~19時まで、世田谷区奥沢(最寄り九品仏駅)のd&department tokyoさんの店内にて、金継ぎの公開受付をします。


今回は、d&departmentスタッフの有馬さんの発案を私が形にした新兵器「仕上げをイメージできるプレート(仮名)」を携えての受付です。


同じ金でも周りの色によって全く違って見えるのが世の中の常。

想像してください…と言われても、最後は一か八か?、私を信じてくださいって決めていただいてました。


それが、このプレートを使えば、その「想像」が手に取るようにわかるではないですか!

個人的に、プレパラートという言葉の響きが好きなこともあり、重ねて嬉しいです。


このプレートを使っての金継ぎ公開受付。


過去二回、来てくださった方をお待たせすることが多く、心を痛めていました。

改善すべきは改善し、もっとスムーズに受付が出きるように、と開発したモノの一つがこのプレート。


果たして、時短になるのか、それともむしろ楽しくて時間がかかるのか、やってみないとわかりません。


季節柄、天候が気になるところですが、お越しくださるみなさま、どうぞお足元に気をつけていらしてください。

新兵器を用意してお待ちしております。




公開受付(5月)無事に終了しました

2015年5月16日(日)、心配していた天気も、ふたを開けてみたら時折雲の切れ間が見えるほどに回復していました。

 

お近くの方から、遠方は栃木県の方までわざわざお越しいただき、本当に雨が降らなくて良かったな…と思いました。

 

3月の受付に続いて、今回も多くの方が大切な器を抱えて持ってきてくれました。

 

心から感謝申し上げます。。。

 

二ヶ月おきに定期開催することになりました、D&DEPARTMENTでの「金継ぎの受付」ですが、気軽にふらっと立ち寄れる修理の受付場所があれば、もっと金継ぎが身近な技術として暮らしの中に浸透していくんだと思います。

 

そこに着目し、企画を立ち上げてくださったD&DEPARTMENTのスタッフの着眼点に脱帽です。

 

微力ながら、私の持てる技術を総動員して、取り組んでいこうと思います。


5月16(土)金継ぎの公開受付のお知らせ(終了しました)

直前で申し訳ないのですが、明日の2015年5月16日(土)12時から、九品仏のd&department tokyoさんで、二回目の金継ぎ公開受付をします。


大切な器が壊れてしまってお困りの方、金継ぎがどういう物なのか興味のある方などなど、ふらりと寄っていただいて、金継ぎや漆や器のことをお話しできたらうれしいです。


今日はこんなにも晴れ渡っているのに、どうやら明日は雨のようです。


アメニモマケズ カゼニモ…

いや、私は店内で座っているだけなので、お越しくださる方々が少しでも苦労なく来れますように。。。


取っ手の修理について

修理にまつわる様々な事を、少しずつ書いていこうと思います。


初回は、意外にも多く依頼がくる、「器の取っ手/持ち手の修理」について。


買ったばかりだったのに…というお声も多く聞かれます。


実は、使っていて割れやすいだけではなく、器を作るときも割れやすいんです。

制作中や乾燥中にヒビが入ったり、うまく乾燥まで持っていけても窯に入れるときに軽くコツンとぶつけようものなら、本体は無事でも取っ手はバラバラに。。


そんな繊細な取っ手なので、使っていて割れてしまうのもわかります。


モノ継ぎでは、直接口に触れない箇所であれば、漆以外の合成接着剤での修理も承っております。


直した後の強度で考えると、漆と合成接着剤に大差はないように思うし、費用も割安、修理期間も短い合成接着剤の修理もお勧めするのですが、実際はほとんどの方が漆で直す方を選びます。


これは、どういうことなんだろう。


先日のd&departmentさんでの公開受付の時にも感じたのですが、金継ぎという少しマニアックな技法が、確実に受け入れられてきているんだな、ということ。


後もう一つは、お金を払ってまで直したいと思う大切な器なんだ、ということ。


漆という、唯一無二の素材。どんなに科学が発達して便利な接着剤や塗料が開発されても、漆に勝る物はないと思っています。


大切な器だからこそ、ちゃんと日本で採れた国産の漆で直す。


当たり前のようで、でも、ほとんどの人が合理化によって忘れてしまっている事のように思います。


器の取っ手の修理を、国産の漆を使った漆継ぎ(金継ぎ銀継ぎ)で修理依頼をする方がいる。


この仕事をしていて、嬉しいことの一つです。確実に。


最後までお読みくださった方、感謝申し上げます。。。

 

次回は、漆と合成接着剤の違いについて書こうと思います。


「モノ継ぎ」持永かおり




公開受付、無事終了しました。

世田谷区奥沢のD&DEPARTMENT TOKYOさんでの金継ぎ公開受付が、無事に終了しました。(2015年


12時のオープンと同時に、近くの方だけでなく遠方の方までも並んでいただいて、お待たせしてしまって申し訳なかったです。


D&DEPARTMENT TOKYOさんでは、岩手県の塗師の田代淳さんが過去4回金継ぎの受付をしており、その経験と実績がきちんと受け継がれて今回に生かされているんだな、ということを実感しました。

金継ぎという少しマニアックなジャンルが、ここでは受け入れられている。

そのバトンをこれからも大切に預からせていただきます。


打ち合わせから当日のサポートや片付けまで全て一緒にやってくださったD&Dの有馬さん、本当にありがとうございました。

ダイニングのドライカレー、感動の美味しさでした!



多くの方の大切な器をお預かりして、嬉しくも身の引き締まる思いです。


これから一つ一つ丁寧に直していきます。


どうかゆっくりとお待ちくださるよう、お願い申しあげます。。。


モノ継ぎ 持永かおり


3/21(土祝)金継ぎ公開受付します(終了しました)

1日だけの金継ぎ公開受付をします。(2015年記)

場所は、世田谷区九品仏にあるd&department東京さんの店内にて。

 

金継ぎの受付

http://www.d-department.com/event/event.shtml?id=5412211877293885

 

「扱っているモノの良さ」だけでなく、ナガオカケンメイさん率いるd&departmentの繰り出す、モノを作る・使うということへの新しい提案の数々は、いつも感銘を受けるほどの説得力があります。

そんな大好きなshopが自転車で行ける距離にあり、ちゃんと顔を合わせながら直しの相談を受けられる貴重な機会をくださったことに、心から感謝しています。

 

どんな方が、どんな「たいせつなモノ」を持ってくるのか、想像するだけでわくわくします。

大きさに制限を出しませんので、ばーんと持ってきちゃってください。

きっと、なんとかなりますので。




ホームページ開設にあたり

はじめまして。


ヒビ、ワレ、古きモノ、壊れたモノに魅せられ、ちゃんと漆でワレモノ修理をしている「モノ継ぎ」の持永かおりともうします。


ガラスと陶で作品を作っていたときから、現在仕事にしている陶芸教室での生徒さんの作品を焼成している今も、割れ・ヒビとはずっと戦っている気がします。


割れては直し、ヒビが入っては直し、合成接着剤と絵の具を使い、美術品から花器まで多くの物を修理修復してきました。


そんな言わば直しのプロなのに、自分の食器が割れてしまった時に、あれ、直せない…?


花器やオブジェなら自分の技術で直せる。でも合成接着剤では食器は直せない。見た目は直せても、接着剤で直した器では食事に使えない。


そんなことに気づいたのは、愛用していた住田文男さんの飯碗を割ってしまったとき。


この器をちゃんと漆で直したい。そう思ったことが「モノ継ぎ」の始まりだったような気がします。

言わば、原点です。


大切な器を壊してしまい、捨てることも出来ずにずっと持ち続けていたそのときの自分の思い。


同じような思いをしている人がいたら、少し勇気を出して声をかけてほしいです。


大丈夫。ちゃんと直せますよ。